
自分は割り出し・セット・瓶交換をコツコツと繰り返し。
忙しい中、移動途中で各ショップへ顔を出すも
長時間はいられずに挨拶のみ・・
そんな中、とあるショップで駆け込んできた子供が。
「ヘラクレス、蛹にはなったんだけれども変なんだ」
その時ショップにいたのは店長、Iさん、そして自分。
人口蛹室に収められた蛹は、頭の部分が抜けきらず
蛹化不全となっておりました。人口蛹室に移した理由は
幼虫が暴れて壊れてしまった為。
どうやらマットの水分がかなり少ない状態で蛹室を作ったらしい。
見てみると脱いでまだ半日~1日といったところでしょうか・・
脚の部分は生々しく異型、体全体は固まり
ヘラクレス蛹はモソモソと動いておりました。
静観する自分とIさん。(Iさんもクワカブ業界人)
するとその子供に対して店長はキッパリと
「いいかい?これは蛹になるのを失敗してしまったんだ。
このままでも成虫になれる場合もあるけれども、殆どの
ヘラクレスはすぐに死んじゃうんだ。もちろんこのまま
いつまでもつかもわからない。無事成虫になるのは
諦めた方がいいかもしれない・・」
「・・・」
お父さんとやってきたその子は涙ぐみながらも現実を捉え
「ああっ、そういえば土(マット)買いに来たんだった!」
と残された幼虫達のためにマットのコーナーへ・・
他に飼育本等を購入し、帰って行きました。
「辛い場面でしたね」
こういった時、ショップとしてはいいかげんな事を言って
変な期待は持たせられない。
相手が生き物だからこそ、しっかりと現実を捉え、対処していかねば
生き物を扱う店の店長・店員はやっていられない。
さっきの子供がいた時とは違う、辛そうな表情の店長・・
かける言葉がみつからない。
「でも彼は今回の事をきっかけに、更に成長すると思いますよ」
・・ありきたりの言葉しか口をついて出て来ない。
自分が飼育している虫と違い、かえって他の方が飼育している個体
に関してアドバイスを出す事がこんなに重いなんて・・
普段自分が「幼虫が落ちた」とか「成虫が落ちた」と、ネットで交わす
言葉とは違う重さを感じた。
やっぱりショップの店長・店員は凄いなァ